私の相棒



 私には相棒がいる。

 MDノートの文庫サイズ(無罫)だ。


 
 私はいわゆる「なんでもノート」として、このMDノートに思いつくままになんでも書いている。
 
 日記、考えていること、好きなもの、ハマっていること、いいなと思った言葉、やりたいこと、ほしいもの、悲しかったこと、怒っていること、どんな服を着たいか、どんな人間になりたいか、、、


 本屋に行けば、「幸せになるための手帳術」やら「仕事を効率化するノートの使い方」やら、あらゆるハウツー本が置いてある。
 一時期は熱心にそういった本や雑誌の特集を読み、人生を意味あるものにしよう、そのためにノートを有効に使おう、と試行錯誤していたこともあった。
 しかし、そういった手帳術やノート術は続けるのが難しい。

 とにかく自由に、雑でもいいから、思いつくままになんでも書く。書くだけじゃなく、描いたり貼ったりする。

 ノートが何かに役立つ、というより、ノートを書いている時間そのものが楽しいのだ。
 ノートを書いている自分が好きだし、書いたノートをパラパラめくり、眺めているだけで癒される。
 だから私はいつでも、どこにでも、ノートを連れてゆく。結局何も書かなくても、カバンの中にノートがある、というだけでなんだか安心する。

 私の相棒であるMDノートは、そんなかけがえのない存在だ。

 買ったばかりの新品の時よりも、書いて書いて描いて貼って、紙が波打ったり表紙が汚れたり、使い終えた後の方が美しく価値あるものに感じられるノートというものを、私は愛してやまない。
 
 書いた跡は、生きた証。


 ああ、ノートは、文房具は、

 愛だ。




手の中の秘密基地

優希

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