理想にさようなら
もう自分を知るしかないの
ただひかるだけ
見つかるために
見つけるために

ぼやけていくイメージ
どんな出会い方で
どんな瞳で
私を知ってくれるのだろう

焦らずに
待つことを覚えて
星を旅する
鼻歌は君を見つめる魔法



あいが ある
ここに ある
いのちたちが ひかっている
ここにもそこにも ひかっている
あくいや ぞうおも あるけれど
たぶん それらも
もともとは あい
かなしいね
ぜんぶほんとは あいなのにね
でも きみがひかっていて
うれしい



私は木です
幹の太い広葉樹
私は木だから
歩くことも飛ぶこともできません
どこへも行ける風さんが
うらやましいと
いつもふてくされていました
昨日までは
でも私は気づいたのです
木が歩いたっていいじゃないかと
やり方はまだわからないけれど
心がそう言うのだから
きっとやれると思うのです
私は旅をする木になります
ふらりふらりと散歩して
出会えた仲間を
木陰で休ませられるような
そんな木に




星が またたく
ぼくのひかりは
いつ どこで 瞬く?
ぼくには ほんとは
今 しかないのに
きみは まだ 眠ってるみたい
でも ぼくは
信じてるから
きみが きっと あの未来に
いること
だから 待つよ
だれにも 隠れて
きみにだけ
ひかるよ


わからない
それでいい
もっともっとわからなくなれ
わかったふりをしていたことに気づけ
私たちはほんとうは
みんなばらばらで
なのにひとところに生きているのだ
わからないことは
前提なのだ



海を前に立ちすくむ

言葉で海は描けない
それでも僕は
言葉で海の底へ向かいたい

美しいもので溢れる世界は
幸せで残酷だ
存在の肯定と深淵への希求
僕が僕として生きて死ぬこと

どうか諦めないでくれ
どんなに世界が残酷でも
どんなに孤独でも

光は闇の中にある


そうか 君も 
ひとりぼっちなのか
僕だけだって思ってた
声の届かないクジラ
僕も 君も

言葉は無力で
どんなふうに語りかけたらいいのかな
いつか君と本当のことを
話せる日が来るのかな
諦めなくちゃいけないのかな

今はただ笑いかけることしかできなくて
歯痒さが心に積もる
もし僕が魂震わせ歌えたら
君を音で包んであげられるのにな

僕らは違う世界を見てる
目と目が合わない
それでもそばにいることの
本質はどこに


逃げろ逃げろ
網につかまらないように
掬われないように

いつだってアクセス
僕たち金魚
置いてかないで
追いつかないで

自由なんてない
買われたってもっと地獄
動かなきゃいい
死んだフリさ

絶望だけはしないでおくれ
考えるんだ
僕たち金魚
そこは宇宙か
逃げられないね


爆音で塞ぐ
正しさなんて欲しくない
放っておいてくれよ
お前と俺は違うんだ
説教はもうたくさんだ
どうだっていい


きっとまた裁かれる
間違ってる? ああ そうだよ
僕は間違ってる
でもそれは君も同じだろ?

世界は僕を許さない
僕は 僕が許す
世界を 君を 僕が許すよ

全部僕の中にある
深く暗い海の底
大丈夫 ここは静かだ
僕がいる それだけだ



ここにはかつて森があった
美しい鳥たちや草木の暮らす森が

時はうつろう
記憶は曖昧になって
ひとつ、またひとつと
パズルのピースがはがれ落ち、消えてゆく

私はここに立っている
ちいさな息をくり返して

私のいる星の名を
遠くの君はなんと呼ぶだろう

私がいたことも
君がいたことも
森の吐息も
いつかすべて 消える