私は泣き虫だ。
幼い頃から大人になった今までずっと、アホみたいにたくさん泣いてきた。


何度「そんなことで泣くんじゃない!」と叱られてきたことか。
自分でもなんでこんなに些細なことで泣けてくるのか、わからなかった。
きっと私が弱すぎるからだと思っていた。



まあ、実際私は弱い人間だ。
よわよわで、ひょろひょろだ。
すぐめそめそして、ぐったりする。


でも、ほんとにただ弱いだけなのだろうか。



大の大人(そんなに大じゃないか、中くらいかな)がわんわん泣くなんて、バカみたい。



そんなことねえよ。


涙はたぶん、感情の洪水なんだ。
かなしくって、泣く。
うれしくって、泣く。
それらはすべて、心に溜まった感情という水がいっぱいいっぱいになって、抱えきれなくて、涙というかたちでこの世界に現れてくる。

それはつまり、涙になって現実に出てきてしまうくらい心が動いたってことだ。



確かに数年前までの私は、いつも何かが悲しくてくるしくて泣いていた。
そんな自分が本当に嫌だった。
ずっと変えたくて、もがいてもがいて、でもちっとも変われなくてしょっちゅう絶望していた。


けど今は違う。
もちろん悲しい時もそれはもう大層な感じで泣くんだけど、それよりも、幸せな時に泣くことが圧倒的に増えた。

たとえば本を読んでいるとき。
「、、、!これ、私が考えてたことと同じだ、、、そう、そう、そうだよね!!!よかった、私大丈夫だ、このまま進んでいいんだ!!!わーーーーー!」で、泣く。

たとえば音楽を聴いているとき。
「、、、、、っ、、、、!!!(言葉にならない)」で、泣く。

たとえばあまりに美しい空に出会えたとき。
世界のすべてがキラキラと輝きだして、木も山も雲も、行き交う人々も、悲しい記憶も、あの人の優しさも、ぜんぶが美しい、奇跡みたいだって思えて、泣く。

背中がちょっと震えて、喉が詰まって、視界が開けてく。
わたし、生きてるー!!!!!!と思う。



最近はほとんど毎日泣いている。
泣くポイントはふいにやってくるから、「あ、やっぱ今日も泣いたわ」
って感じなのだけど。

でも私はもう、泣き虫の自分を嫌わない。
だって、そんなに毎日溢れるくらい心を動かせるってすごいもん。
体ぜんぶで生きてる喜びを感じられるなんて、しあわせだよ。
その幸せをちゃんと味わえている自分が誇らしいんだ。


まあ人と話しながら泣くのは、余計な心配をさせたり相手を困らせたりするから、なるべくやめたいとは思ってるけど。
ひとりの時は、自分だけが知っているもの。
存分に泣くがいい!と思ってしっかりアホみたいに泣いてくよ。




手の中の秘密基地

優希

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