世界とまた出会うために



心があまり動かなくなってどれくらい経つだろう。

怖くて部屋にこもってばかりいたら、心も体もカチコチになってしまった。
何か美しいものを見つけようと目を凝らしてあたりを見まわしてみても、心のアンテナがすっかり古びてしまっていて何もキャッチすることができない。


ああ、でも、言葉なら。
ふと思いついた。

言葉の音の連なり、意味の優しさ。
そういうものは、変わらず好きだと思えている気がする。

自分の目で何かを見て、そこから言葉を紡ぐことは難しくなってしまったけれど、だれかの目を、心を通して見つけられた世界の美しさを学ぶことならきっとできる。
今はそうしていろいろな人の目線を知って、世界と出会い直していけばいい。
その先に、私にしか見えない景色が待っているかもしれない。


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