ここで働かせてください
「ここで働かせてください!」って生きるための切実な言葉なんだ、と思った。
千と千尋の神隠し。最後に観たのはいつだったろう。
お金のために働くなんてバカみたいだと思っていた。
みんな自分のやりたいことを忘れて、生きるためだけに仕事をしてるんだ。私はそんなの嫌だ。せっかく生まれてきたのだから、自分の好きなことをして生きたい。お金は最後だ。そう思っていた。
仕事を辞めたから、収入がない。お金は減る一方。
スーパーで、数百円の買い物をするのにも躊躇する。お金を使うことが怖い。
生きることが、怖い。
「不安はまるでお金だ」
星野源「営業」より
お金よりも好きなことをする時間の方が大切だと思っていたけれど、お金がなければ好きなものを大切にすることもできないんだ。そんな当たり前のことを私はいつも見落として、気づいた頃には闇の中でうなだれている。
だれか笑ってくれ。
とんだアホ野郎だって笑ってくれ。
仕事を辞めて、時間だけはたっぷりあって、それなのに私はその時間を大切に使うことができない。
持て余した時間は、灰色で、でろんとだらしなく横たわっている。もがこうとしても、なまぬるいそれは私の身体にまとわりついて重苦しい。
働かなきゃ。
ひとりで、部屋の中にこもったまま自分の価値を守り続けることなんて私にはできない。
人は、人の中で生きている。
働いて、お金をもらって、生きるのだ。
当たり前だろー!!と叱られてしまうようなことが、私にはいつもわからなくなってしまう。だから何度もつまずいてしまう。
またここからか…
このアホみたいな負のループを、私はいつになったら抜け出せるのだろうか。
ここで、働かせてください。
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